【石川・富山】金沢市・南砺市のどぜう蒲焼き

編集を担当した『日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑』の食文化のページにも記載されていますが、金沢市はどじょう蒲焼が名物。

北國新聞によると、明治時代、長崎からやってきたキリシタンが生活の足しにするために、田んぼで採れたドジョウを蒲焼にして売り歩いたことがはじまりだとか・・

そして金沢市から山脈を挟んだ向こう側にある、富山県南砺市でもどじょう蒲焼きがよく食べられているとのこと。

両市のどじょう蒲焼きを食べて回ってきました。

金沢市のどじょう蒲焼

近江町市場

まずは金沢市の食の中心、近江町市場にやってきました。食材の豊富さに圧倒されつつも、すぐにどじょう蒲焼を発見。

近江町市場では120円が相場のようです。金沢ではどじょう蒲焼は夏の食べ物だったそうですが、近江町市場では最近は周年販売されているとのこと。

たくさんの串でまとめるディスプレイ方法が面白いです。聞いてみると、季節によるのだとは思いますが、だいたい大分のドジョウを使用しているようでした。

近江町市場は青果もすごいですね。

かばやきの浅田

近江町市場からは歩いて15分ほど、横山町にある「かばやきの浅田」さんでもドジョウ蒲焼を購入しました。

お店の中に入ると行きたドジョウが。大きさによって2つの桶で管理しているそうです。(撮影OKいただきました)

かわいいパッケージ。

南砺市のどじょう蒲焼

佐波かばやき店

高岡駅でJR城端線に乗り換え。

福野駅を降りると、田園地帯が広がっていました。これは昔はドジョウがたくさん採れただろうな・・という印象。現在は田圃のまわりはコンクリート水路がほとんどで田圃と水路の連続性はあまりなさそうです。

高清水山地が遠くに見えて絶景です。

しばらく歩いて佐波かばやき店さんに到着。

話を伺うと、以前は周囲にも数件どじょう蒲焼のお店があったが、現在はこちらだけになってしまったとか。

1本あたり80円と非常にリーズナブルです。奥の作業場で、ご家族で大量に仕込みをされていました。

福光駅の杓子屋さん・清水やさん

南砺市の中では栄えている福光駅周辺には、どじょう蒲焼を販売されているお店が2軒。

どじょうを愛する魚滋会のメンバーで、杓子屋さんと清水やさんを巡りました。

福光駅からまっすぐあるくとレトロな商店街が。

小矢部川。

魚滋会の夜の会合にてオープン・・

南砺市のどじょう蒲焼3店の比較。左から清水や、佐波かばやき店、杓子屋です。

焼き具合やタレの味わいに個性があり、どれも美味しいですね。

【三重】桑名市多度の鯉料理店・大黒屋であらい膳

3月前半、長らく気になっていた大黒屋さんにお邪魔したのでメモしておこうと思います。

名古屋駅からJRに乗り込み、三重県の桑名駅で養老鉄道に乗り換え。15分ほどで最寄りの多度駅に到着します。

多度大社が有名な駅ですが、今回は時間の都合で参拝できず・・

お店に向かって歩き出すとさっそく多度川沿いに出ました。何か採れそうな淵。

川沿いを15分ほど歩くと大黒屋さんに到着。多度大社の参道でもあるので道中も風情がありました。

あいにくの雨で街はひっそりとしており、どうやらお店にもほかに1組しかいないようでした。すこし緊張しながら入店。

門をくぐるといきなり立派なお庭が。

そして靴を脱いで客間に案内いただいたのですが、奥の庭と建物がさらにすごすぎて度肝を抜かました。

一人でランチに来たのですが、こんなに立派な客間に案内されてしまいました。贅沢すぎて申し訳ない・・

今回は2080円のランチコースを選択。めちゃくちゃリーズナブルです。

ときどき響くししおどしの音を聞きながら、しっぽりと鯉料理を待ちます。

お茶とお菓子。湯のみが可愛い。

まず出していただいたのは、うろこの唐揚げとすり身だんご。鯉料理といえば、あらいや鯉こくがポピュラーですが、うろこやすり身を使った料理はかなり珍しい気がします。

うろこには生姜を少しまとわせているようで爽やかな風味。

そして鯉こく。一般的には赤味噌を使っていることが多いと思いますが、こちらは西京味噌のようです。

鯉こくのあとは、そのほかのお料理を一気に持ってきてくださいました!

あらい。

南蛮酢。

鯉の白子。

というわけで素晴らしいお料理を大変贅沢な環境でいただきました。必ずや再訪しなくては。