「魚のこと」カテゴリーアーカイブ

【滋賀】3年ぶりに沖島・湖上荘に再訪でまたまた湖魚づくし

12月の前半、琵琶湖の中にある離島・沖島に行ってきました。目的は、2回目の訪問となる湖上荘です。

【滋賀】湖魚づくしに涙。琵琶湖に浮かぶ離島「沖島」のノスタルジックな漁師町へ

3年前の5月に訪問した際、圧倒的な湖魚づくしに大感動し、再訪を誓ったのでした。そして今月、コロナ禍を耐え忍びいよいよ実現したという次第。

ご一緒したのは山溪いきもの部魚班メンバーとO. obscura(@JapaneseLoach)氏。今回もありがとうございました。

今回は、以前より1本早めの16時台の船に乗船できました。湖上荘から見える夕日が綺麗と聞いていたので、明るい時間に乗船です。

終盤ながら紅葉もいい感じ。

湖面にはオオバンがいっぱい。

沖島に到着。また来ちゃいました。

港から湖上荘に向かって一本道を歩いていきます。

湖上荘に到着

 ちょうど夕日が美しい時間に到着。荷物を置かせてもらい、玄関の前でしばしぼーっとします。女将さんもお元気そうで嬉しい。

18時になり、いよいよ夕食がスタート。

スゴモロコの南蛮漬け

コアユの飴煮

おおっ!鍋材がきましたがこれは新しい・・!今回はなんとコイの味噌鍋です。身の右下にあるのはコイの卵です。

白菜、九条ネギ?、コイを放り込んで、ぐつぐつ煮ていきます。

そして、前回感動した鮒寿司!

ツンとするような酸味はまるでなく、最高に美味しいです。個人的にはいままで食べた鮒寿司でベスト。

コイの刺身です。旨味がつよくて素晴らしい刺身。

コイの味噌鍋の具がなじんで、いい感じになってきました。

味噌とコイがこんなに合うとはー!生姜、九条ネギ、味噌なども各自がいい役割をしています。味噌も自家製だそう。

ニゴロブナの煮付け。切れ目の入れ方が独特です。

天ぷらはスジエビ、ワカサギ、ニゴロブナ。ニゴロブナって特有の香りと酸味がありますよね?(個人的感想)

焼く前のヒガイを見せてもらいました。でかい。15センチは軽くありそうです。

ヒガイの素焼き。味わいを例えるならば淡白なアジのよう。

シメはイサザと野菜の卵とじ。

朝食でハスの塩焼きを食べて弁財天へ

朝ごはんもたっぷりといただきました。ハスの塩焼きも。

船の出発まで少し時間があるので、弁財天さんまで行ってみようということに。

朝の沖島は霧が立ち込めていました。

自前のカラーリングが施された自転車。

家庭菜園や古い漁師の家のわきを抜けて歩いてゆく。

お社は階段を登っていった先の、湖を見下ろせるところにありました。弁財天さんなので船の往来を見渡せるような立地なんですね。ちょっと江ノ島を思い出しました。

ビワマスの産卵は見られずも・・

沖島以外には、高島市方面や長浜市内でも川を巡ってきました。ちょっと見たかったのがビワマスの産卵。

12月の2週目ということで時期的に遅いのはわかりつつ、数日前までガンガンみられたとのこと。ですが! いくつか川を巡ってみるもののビワマスの姿は見られず・・

とはいえO. obscura氏に案内してもらって、いろいろな魚と出会えました。ありがとう!

いわゆるホッチャレ状態のビワマスは確認。力尽きた姿もかっこいいぜ・・

ビワマスのイクラ!淡い黄色が美しいです。

ヒガイのなかま

ズーナマ

オヤニラミ殿。国内移入種であります。

カマツカのなかま・・

アブラボテ

ニシシマドジョウ

オオガタスジシマドジョウのメス

ツチフキ

【岐阜】淡水魚の水族館 アクア・トトぎふに行ってきました

淡水魚の水族館といえばアクア・トトぎふ。

一度は行きたいと思いながらお邪魔できていなかったのですが、先日ついに行ってまいりました。

岐阜県は各務原市にある淡水魚の水族館です。東京から行くとなると、名古屋に行くついでに寄るには、行けそうで遠いという絶妙な距離感。

水族館だけの予定で日帰りしてみることにしました。

そして今回はかねがねお会いしてみたいと思っていた、アクアトトぎふにめちゃくちゃ詳しいイラストレーターのオワコマさん@owarikomakixにご一緒いただけることに。幸せすぎる!

水族館は木曽川のほとりにある「河川環境楽園 木曽川水園」のなかに位置しています。ほかには観覧車やアウトドアフィールドなども充実。

いざ水族館へ。入場すると早々にエレベーターで4Fに案内されます。

長良川を源流から下流へ

世界の淡水魚ももちろん目玉ですが、まず始まるのは長良川の源流から河口までをイメージした展示。透明な天井で、光が綺麗に水槽に入ってきます。

自然光が差し込む展示室は、明るくてありがたい!その一方で、ガラス面に自分の姿が映り込みやすいので、写真はちょっと撮りにくいかも。

展示は長良川を源流から下流へと降っていくような構成になっていました。

出迎えてくれたサンショウウオたち。オワコマさんにいろいろ教えていただく。

オオサンショウウオやニホンイシガメも!

だいぶ下流の方に来ると「用水路の生きもの」コーナーが。こういう環境が一番好きです。

セキショウモ茂る水槽。これは管理が大変そうですが、めちゃくちゃ美しい!

この水槽で見られたのはカワバタモロコ、アブラボテ、トウカイコガタスジシマドジョウなど。トウカイコガタはやっぱり小さいですね。

下流の方になってくると、小型水槽も充実。

トウカイヨシノボリ

ウシモツゴ

そしていよいよ最下流に近づいてきました。やっぱりこの辺りの雰囲気も好きだな〜

ワタカ、ボラなどと一緒に、イタセンパラが特別展示されていました。

ふと気がつくと、まだ世界の淡水魚を見ていない段階でお昼に・・

世界の淡水魚はメコン川からスタート

そしていよいよ、世界の淡水魚展示へ。メコン川をはじめとした、アジアの淡水魚からスタート。

メコン川コーナーの手前に、中国の淡水魚も。現地で採集してみたい・・

カラヒガイ Sarcocheilichthys sinensis

コヒガイ Sarcocheilichthys parvus

シニボティア・ロブスタSinibotia robusta

グリーンバーブ barbodes semifasciolatus

そしていよいよメコン川。こちらは中流のそれほど大きくない魚が集められた水槽。とはいってもデカイですが・・

ハンパラバーブ Hampala macrolepidota

レッドフィンバーブ Barbonymus schwanefeldii

レッドフィンジャイアントバーブ Leptobarbus hoevenii

ルシオソマ・セティゲルム Luciosoma setigerum

レッドフィンボティア Yasuhikotakia modesta すごい寝相だ・・

そして大型魚水槽へ!1匹1匹の大きさはもちろん、これだけ集まるとワクワク感がすごい。

パーカーホ。コイ科の最大種で大きくなると3mほどになるらしい・・デカすぎる。この子はかなり寸詰まりのような気が。

タイガーバーブ

メコンオオナマズ

イエローフィンバーブ

トランスルーセントグラスキャット

レインボーシャーク

 

アフリカのコンゴ川、南米のアマゾン川

ゴライアスタイガーフィッシュ

 

 

 

【静岡】海路で西伊豆へ。トゲチョウチョウウオ・タカベを釣る

時期は9月後半。Twitterではトビウオ幼魚、チョウチョウウオなどがタイムラインを賑わせていました。他にもナンヨウツバメウオとかマツダイとか、みなさんどうやって見つけているのでしょう・・

羨ましすぎて近場の三浦半島で岸壁採集をするも、空振りの連続。もはや西伊豆まで足を伸ばすしかない! そう決意するも、ペーパードライバーの私にとって、西伊豆はまさに陸の孤島です。

JR三島駅から特急バスで2時間かけて向かう手もありましたが、清水港からフェリーで駿河湾を横断して土肥まで行けることが判明。これだ!!


東海道線に揺られ、のんびりと清水駅に到着。みなと側の東口ターミナルに行くと、無料の送迎バスが。

数分で駿河湾フェリーのターミナルへ到着します。

土肥行きのチケットを購入。片道2300円です。

ターミナルで待っていると、いつの間にかフェリーが到着。70分くらいで土肥に着くらしいです。

車やバイクで向かう人も多いですね。たしかに西側から西伊豆へ向かうには、陸路より便利かも。

いざ乗船。歩きで乗り込んだ人は、右側の階段で上へと昇ります。

平日なこともあってか、ガラガラです。

船内ではお土産も売っています。

清水港を出発。かなり大きな港湾都市ですね。出港して10分くらいで、海面にシュモクザメを発見。。

ウトウトしていたら土肥が近づいていました。流石にここまで来ると海の色がまったく違います。すぐに陸地が切り立っていて、離島に来たような感覚。

フェリー乗り場に到着。

フェリーを降りて足元を見るといきなりソラスズメダイらしき魚影が!さすが西伊豆。綺麗だなあ

土肥の街中へと向かいます。しばし、いろいろな場所を散策。

もともと金が採れたようで、現在も観光施設があります。

土肥港内の浜。のどか

 

土肥の温泉街を流れる山川。

山川の河口。

本日のお宿、松屋さん。

西伊豆といえば、楽しみは民宿のご飯。美味しくいただきました。

翌日、某港へ移動。じつは夜間もある漁港で岸壁採集を試みたのですが、まったく何も採れずに惨敗。西伊豆の洗礼を浴びたのでした。

この日訪れた場所でも、網を伸ばして採集できるような魚は見つからず、あきらめて釣りに作戦変更。するとチョウチョウウオ、トゲチョウチョウウオなどが集まってきました。だがサビキは見切られる・・

サビキで食いついてくれるのはこの子。可愛いけどね。オキアミのウキ釣りに変更すると、かなり反応が良くなりました。すると美しいタカベの群れがきました。

いや、綺麗すぎる・・

タカベは図鑑でも魚屋さんで見ても、もっと黒っぽいイメージだったので、生きている状態の美しさにびっくり。この美しさに出会えるのは捕まえてこそですよね。

そしてトゲチョウチョウウオもヒット!オキアミで釣れるんですね〜

その他、今回港にいたのはアイゴ、チョウチョウウオ、キタマクラ、ホンソメワケベラ、ハコフグ、メジナ、オヤビッチャ、タカノハダイなど。

もともとの岸壁採集では惨敗でしたが、西伊豆らしい魚を見られました。

帰り道はバスで修善寺駅→三島駅経由で帰りましたが、やはりフェリーのほうが楽しかったです。

 

【群馬・板倉町】うおとしで淡水魚づくし膳

6月、Twitterで気になっていた川魚料理屋さんの「うおとし」さんに行ってきました。

場所は群馬県の板倉町。利根川の流域です。

群馬県といっても、羽生市や加須市などに近く、文化圏としては埼玉県のそのあたりのエリアに近いのかなーという印象があります。

今回は最寄りの板倉東洋大前駅近くの「わたらせ自然館」で、自転車をレンタル。

駅を挟んで反対側には渡良瀬遊水地があり、野鳥観察のメッカでもあります。今度は鳥も見に来たい。

道中、道路脇の柵には浮き上がるナマズの絵。さすがナマズを良く食べる文化圏・・

ランチタイムのギリギリに到着!めちゃめちゃ立派な店構えです。

メニューを拝見。うなぎや天ぷら、うどんなどももちろんあるのですが、淡水魚マニア向けは、この「いたくら膳」シリーズですね!

これでもかと地元の川魚がいただける死角のない定食になっています。今回は「いたくら三の膳」をチョイス。

食べきれないと思い今回は見送りましたが、単品メニューにも気になるものがたくさん。

 

しばらくして「いたくら三の膳」が到着。

食べ応えがすごい鯉こく。

鯉のあらい。スタンダードに酢味噌ですね。

なまずの刺身。

透き通った美しい白身です。

そして、ナマズの天ぷらとたたき揚げ。

とくに手前のたたき揚げは、根菜も一緒に練り込んであるのか、とても風味豊かで感動でした!

お店の近くには「雷電神社」というナマズを祀る神社もあるそうなので気になっていたのですが、今回は時間切れ・・また次回は行ってみたいと思います。

【神奈川・三崎】クサフグの産卵を観察してきました

6月11日のことですが、三崎の某海岸でクサフグの産卵を観察してきました。

クサフグの産卵は、初夏の新月・満月のあと見られると聞き、ずっと観察したいな〜と思っていたのです。

今年は、6月10日が新月。クサフグの産卵は、新月当日にも見られるものの1日〜2日後くらいのほうが大規模になると聞き、アタリをつけていました。

まず6月10日(新月の当日)に見に行ってみる

ちょうど仕事の合間で時間があり、新月の当日にも行ってみました。

クサフグの産卵は、潮が満ちてきて満潮を迎える前に行われるとのこと。この日の満潮は17:45くらい。

のんびりしすぎて、到着したのは16:40。産卵場所に行ってみると、思っていたより地味〜ながらすでに産卵が始まっていました!

浜辺にクサフグが集まり、ところどころでパシャパシャと盛り上がっています。

居合わせた研究者の方曰く、水際で群れているのはほとんどがオスで、メスが産卵するタイミングをうかがっているそう。メスが1匹、沖の方からスーッと入ってきて卵を産むようです。

このバチャバチャはオスが寄ってたかって放精していたんですね。必死です。

6月11日(新月の1日後)は産卵祭りに!

昨日の反省を踏まえて、この日は早めに来てクサフグがやってくるのを待っていました。

この日の満潮は18:20くらい。

15:30には魚の姿はまったく見られなかったのですが、16:00前になると、どこからともなくクサフグたちの影がゆらゆらと現れ、どんどん波打ち際に近づいてきました。

時間を測ったように現れるクサフグ。何がトリガーとなってこのタイミングにやってくるのか不思議なものです。

どんどんと押し寄せるクサフグ。そして明らかに昨日より数が多い!

体感ですが、前日の新月当日に比べて5〜10倍の産卵規模があったように思います。

産卵がマックスになる時間帯には、あちこち同時に産卵が重なり、撮影がモグラ叩きのようになって落ち着きませんでした。。

産卵も後半になると、オスの精子で海岸も白濁りに。

時間にして20〜30分で段々と落ち着きを見せて行ったのでした。また来年も見にきたいと思います。

【石川・富山】金沢市・南砺市のどぜう蒲焼き

編集を担当した『日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑』の食文化のページにも記載されていますが、金沢市はどじょう蒲焼が名物。

北國新聞によると、明治時代、長崎からやってきたキリシタンが生活の足しにするために、田んぼで採れたドジョウを蒲焼にして売り歩いたことがはじまりだとか・・

そして金沢市から山脈を挟んだ向こう側にある、富山県南砺市でもどじょう蒲焼きがよく食べられているとのこと。

両市のどじょう蒲焼きを食べて回ってきました。

金沢市のどじょう蒲焼

近江町市場

まずは金沢市の食の中心、近江町市場にやってきました。食材の豊富さに圧倒されつつも、すぐにどじょう蒲焼を発見。

近江町市場では120円が相場のようです。金沢ではどじょう蒲焼は夏の食べ物だったそうですが、近江町市場では最近は周年販売されているとのこと。

たくさんの串でまとめるディスプレイ方法が面白いです。聞いてみると、季節によるのだとは思いますが、だいたい大分のドジョウを使用しているようでした。

近江町市場は青果もすごいですね。

かばやきの浅田

近江町市場からは歩いて15分ほど、横山町にある「かばやきの浅田」さんでもドジョウ蒲焼を購入しました。

お店の中に入ると行きたドジョウが。大きさによって2つの桶で管理しているそうです。(撮影OKいただきました)

かわいいパッケージ。

南砺市のどじょう蒲焼

佐波かばやき店

高岡駅でJR城端線に乗り換え。

福野駅を降りると、田園地帯が広がっていました。これは昔はドジョウがたくさん採れただろうな・・という印象。現在は田圃のまわりはコンクリート水路がほとんどで田圃と水路の連続性はあまりなさそうです。

高清水山地が遠くに見えて絶景です。

しばらく歩いて佐波かばやき店さんに到着。

話を伺うと、以前は周囲にも数件どじょう蒲焼のお店があったが、現在はこちらだけになってしまったとか。

1本あたり80円と非常にリーズナブルです。奥の作業場で、ご家族で大量に仕込みをされていました。

福光駅の杓子屋さん・清水やさん

南砺市の中では栄えている福光駅周辺には、どじょう蒲焼を販売されているお店が2軒。

どじょうを愛する魚滋会のメンバーで、杓子屋さんと清水やさんを巡りました。

福光駅からまっすぐあるくとレトロな商店街が。

小矢部川。

魚滋会の夜の会合にてオープン・・

南砺市のどじょう蒲焼3店の比較。左から清水や、佐波かばやき店、杓子屋です。

焼き具合やタレの味わいに個性があり、どれも美味しいですね。

【三重】桑名市多度の鯉料理店・大黒屋であらい膳

3月前半、長らく気になっていた大黒屋さんにお邪魔したのでメモしておこうと思います。

名古屋駅からJRに乗り込み、三重県の桑名駅で養老鉄道に乗り換え。15分ほどで最寄りの多度駅に到着します。

多度大社が有名な駅ですが、今回は時間の都合で参拝できず・・

お店に向かって歩き出すとさっそく多度川沿いに出ました。何か採れそうな淵。

川沿いを15分ほど歩くと大黒屋さんに到着。多度大社の参道でもあるので道中も風情がありました。

あいにくの雨で街はひっそりとしており、どうやらお店にもほかに1組しかいないようでした。すこし緊張しながら入店。

門をくぐるといきなり立派なお庭が。

そして靴を脱いで客間に案内いただいたのですが、奥の庭と建物がさらにすごすぎて度肝を抜かました。

一人でランチに来たのですが、こんなに立派な客間に案内されてしまいました。贅沢すぎて申し訳ない・・

今回は2080円のランチコースを選択。めちゃくちゃリーズナブルです。

ときどき響くししおどしの音を聞きながら、しっぽりと鯉料理を待ちます。

お茶とお菓子。湯のみが可愛い。

まず出していただいたのは、うろこの唐揚げとすり身だんご。鯉料理といえば、あらいや鯉こくがポピュラーですが、うろこやすり身を使った料理はかなり珍しい気がします。

うろこには生姜を少しまとわせているようで爽やかな風味。

そして鯉こく。一般的には赤味噌を使っていることが多いと思いますが、こちらは西京味噌のようです。

鯉こくのあとは、そのほかのお料理を一気に持ってきてくださいました!

あらい。

南蛮酢。

鯉の白子。

というわけで素晴らしいお料理を大変贅沢な環境でいただきました。必ずや再訪しなくては。

 

【滋賀】湖魚づくしに涙。琵琶湖に浮かぶ離島「沖島」のノスタルジックな漁師町へ

5月の後半になりますが、編集者や記者を本職にする魚好きの4人で、琵琶湖周辺を旅してまいりました。

なかでも、琵琶湖愛の強い編集者さん(今回は不参加)から「濃〜い琵琶湖の漁師町が残ってるよ」と強くオススメされて以来、とても気になっていた沖島。

沖島は、日本では淡水の湖に浮かぶ唯一の有人島で、琵琶湖全体の漁獲量の半分を占める「漁業の島」です。

念願叶って上陸&宿泊してきましたのでレポートいたします。

目次

上陸! 琵琶湖に浮かぶ有人島

滋賀県近江八幡市の堀切港から、船でわずか10分ほど。琵琶湖に浮かぶ沖島へは、島民の足となっている沖島通船で向かいます。

平日で12往復、日曜日でも10往復も運行されている
沖島へ向かう船を待つ堀切港の乗り場

沖島へ向かう船乗り場へと到着。チケット売り場があるのかと思いきや、乗船時に料金を支払うシステムだったため、直接桟橋へ。

すっかり日も暮れて、ひっそりと静かな夜の港。

遠くの方から、強い光を放ちながら沖島行きの船が現れてきました。20〜30名くらい乗れそうな大きさです。思っていたより小さめ。

このとき桟橋で一緒に並ぶ乗客は、若いご夫婦からお年寄りまで幅広く、ほとんどが乗り慣れた島民の方という雰囲気。

ブラックバスを狙って沖島に行く人も多いようで、バス釣りから帰ってきた方も何名か船から降りてきました。

船の乗込口にある券売機で片道料金500円を支払います。

沖島の港

出発して10分ちょっとで沖島側の港へ。到着して驚いたのは、圧倒的な漁船の多さ。

古くから漁業で栄えた島で、いまでも琵琶湖全体の漁獲量のうちおよそ半分を沖島が占めているそうです。

民宿の貴重すぎる湖魚料理に感激……

今回宿泊したのは、島の西側に位置する民宿「湖上荘」さん。湖岸に沿った一本道を、端まで行ききったところに位置します。

その土地の魚料理を食べることは、いつも旅の目的のひとつ。これまでも琵琶湖近辺で淡水魚を何度か食してきました。

湖上荘さんに予約の電話をかけると、切り盛りされている女将さんから、怪訝そうな声で

「うちは川魚料理ばかりですけど大丈夫なんですか?」と先制ジャブが…! こちらも歴戦の魚好きメンバー、もちろん望むところです。いやむしろそれが目的です。。

スゴモロコとコアユの佃煮
ワカサギの天ぷら
ホンモロコ焼き(ちょっと酢漬け風)

乗っけからフルスロットルで琵琶湖の幸を出してくださいました!

まず最初に持ってきてくださったのは小鮎とスゴモロコの佃煮、ワカサギの天ぷら、そして高級魚・焼きホンモロコ。

まずはこれらをチミチミとつまみつつ、ビールをいただきます。至福。

ニゴロブナの煮付けです。これが臭みはまったくなく、とても肉厚で食べ応え抜群でした。

身の旨味もしっかりとあり、いわゆる淡水魚というより海の魚のようなジューシーな美味しさがありました。

特徴的な、エラブタの上からまっすぐ伸びる一本と、尾びれに向かって細かく入る切れ込み。@wormanagoさんに琵琶湖独自のものだと教えていただきました。

これによって甘辛い煮汁が本当によく身に染み込んでいました。ウマイウマイ……

こちらもとても美味しかった鮒寿司。

女将さんが手作りされているそうで、これまで食べた鮒寿司よりもツンとした刺激がなく、すっきりと優しい味でした。うめえ。。

全員の箸が止まらずあっという間に完食。

そして琵琶湖といえばビワマス。ホットプレートで野菜と一緒にちゃんちゃん焼きに。

川魚好きとはいえ、ここまで手加減なくほぼすべて魚料理だったので、みずみずしい野菜が体に染みわたります笑

最後に、鮒寿司のアレンジした食べ方を伝授していただきました。余った部分を、おちょこに入ったかつおダシに投入!

鮒寿司のごはんが発酵したやさしい旨みと、かつおダシの旨みが掛け算されて猛烈に美味。初体験の食べ方でした。

夕食もひと段落し、女将さんも厨房の仕事を終えられ合流。お話を聞くことができました。

やはり沖島でも、漁師の高齢化や跡を継ぐ人がいないことが問題で「10年後に同じものが食べられるかわからないですねえ…」とのこと。

それでも湖魚料理のおいしさを伝えたいと奮闘されていて、アツい思いがビシバシ伝わって来ました。

ハスとヒガイ

朝食では、なんとハスをバター焼きにしてくださるとのことで一同大歓喜。朝ご飯でいきなりハスですから、ただ事ではありません。

そして普段は出されていない「ヒガイ」もご厚意で焼いてくださいました。

ヒガイをはじめていただく。皮をペロンと取りやすいのが特徴だそう。知らなかった。

ヒガイは漢字で「鰉」と書き、その美味しさから明治天皇に愛されたことがその由来と言われています。

現在、ヒガイを提供する料理店はほとんどないので、図鑑で散々そのエピソードを読んできた我々にとって、食べたくても食べられない幻の魚となっていたのです。

シンプルに塩焼きに。なるほど、ハスよりも味わいが濃く、魚らしい香りも強めです。他の魚でいうとアジを野性味溢れる感じにしたような。。

琵琶湖産しじみの味噌汁。沖島で現在漁をされているのはお一人だけだそう
うろり(ビワヨシノボリ)の佃煮

ほかにも、朝食ではうろりやしじみと、琵琶湖の幸が盛りだくさん。

終始感激しっぱなしで、淡水魚ファンのみなさんにおかれましては、湖上荘さんに是が非でも訪れていただきたいと思います。

ノスタルジックな街並み、ゆったりな時間

沖島には、車は走っていません。島民の方の足はもっぱら「三輪自転車」。島内のいたるところで目にします。

そのせいか、島内の雰囲気はとてもゆったり。

民家のまえには家庭菜園が多いのですが、ご婦人のみなさんはその前に三輪自転車で乗り付けて談笑しています。

伝統的な街並みでタイムスリップしてきたかのよう。

滋賀県の街並みは立派な家屋が多く、京都以上に大好きなのですが、沖島も重厚な雰囲気が素晴らしいです。

路地を写真を撮りながら散歩していると、

郷土料理のえび豆(スジエビと大豆を煮付けたもの)を炊く香ばしい匂いがふわっと漂ってきます。漁師町らしいなあ。

路地を抜け、港の方に向かってみます。

漁に使う刺し網

獲った魚を落とすために、刺し網を振るう漁船の設備。この上のほうにある板の部分に乗って作業するというのだからすごい。

滋賀県名物のこの子も沖島バージョン。車走ってないけど。

ブラックバスを使った「沖島よそものコロッケ」

もうひとつ沖島で食べてみたかったのが、この「沖島よそものコロッケ」。

http://www.biwako-okishima.com/korooke.html

その名の通り、外来のブラックバスを使ったメニューです。

そのコロッケを販売されているのが、沖島漁協内で活動する湖島婦貴(ことぶき)の会。

http://www.biwako-okishima.com/shin-kotobuki.html

沖島漁協のなかに用意されたテーブルで、よそものコロッケをはじめとした料理をいただくことができます。お弁当も気になったのでいつかまた。

希望する時間を伝えるとそれに合わせてコロッケを揚げてくれます。

民宿の朝ご飯でお腹いっぱいなので、注文してから島内を散策。戻って来たところでコロッケをいただきます。

ブラックバスの他には、甘い風味のおからが主体。

そこにハーブ(ディル)の香りがほんのり香ってきます。バスの臭みはまったく気になりません。

個人的にはもう少し魚っぽい風味でも大丈夫ですが、とても食べやすくて美味しいです。瞬間的にペロリと平らげました。

フォトジェニックで大変面白い島でした

離島ゆえに残っている生活、食文化、街並みがとても面白く大満足の沖島滞在となりました。

ゆったりとした時間を感じに、また琵琶湖の幸を味わいに訪れて見てはいかがでしょうか。